グリストラップは屋外に設置するべき?メリット・デメリットを解説

グリストラップの導入を考えているものの、屋外に設置するべきかどうか悩んでいるという方もいるのではないでしょうか。設置場所の特徴について理解していないと効果的に使用することができず、購入した後になってから後悔してしまうこともあるかもしれません。

グリストラップを設置する3つのポイントについて知っておくことで効果的に使用でき、自分の店舗に適切なグリストラップを選ぶことができるようになります。

そこでこの記事ではグリストラップを屋外に設置するメリットやデメリット、ほかの設置場所の特徴についてご紹介していきます。設置費用や工事の流れ、メンテナンス方法についてもまとめました。

グリストラップを屋外に設置するメリット・デメリット

グリストラップを屋外に設置すると店内に設置するよりもよいこともありますが、落とし穴もあります。よいところだけで判断せず、悪い点も把握しておかないと設置後のトラブルに対応できません。

設置場所を決める前に、グリストラップを屋外に設置した場合のメリット・デメリットについて確認しておきましょう。

メリット

グリストラップを屋外に設置するメリットは「店内に悪臭が漂いにくくなる」「大きな容量のものを設置できる」の2点です。

店外設置は店内のように閉め切られた空間ではないので、悪臭が発生しても自然と風に流されていきます。そのため、悪臭を感じながら作業をしたり、食事したりすることを避けることができます。一方、店内の場合は悪臭の根源の側で作業や食事をするので、こまめな清掃や空調調整など手間がかかります。

また屋外にグリストラップを設置する場合、店内に設置するタイプのものよりも大きな容量のタイプを選択できます。大型店舗や回転率の高いお店は大きいサイズのグリストラップが必要なので、店内に設置する場合はスペースを確保しなければなりません。場合によっては作業の導線の邪魔となったり、客席を減らしたりすることにもなります。
しかし、屋外であれば容量が大きなものが必要になっても設置しやすいというメリットがあります。

デメリット

グリストラップを屋外に設置するデメリットは、季節ごとに問題が発生することです。「夏場の気温が高い時期」や「冬場の気温が低い時期」それぞれに影響を受けやすいというデメリットがあります。

夏場は気温が高く、害虫や臭いが発生しやすい季節です。通常の清掃頻度でもゴミは腐っていきますが、夏場は暑さによって腐敗が加速します。その結果、悪臭が発生し、その臭いを嗅ぎ付けた害虫が繁殖していきます。

そのため、夏場は店外であっても臭い対策が必要です。清掃頻度を多くすれば防げることですが、暑い外での作業はまさに3K(キツイ・汚い・危険)という労働環境になってしまいます。

冬場に関しては、気温が下がったときにグリストラップ内に溜まった油脂が固まりやすくなることです。油脂が固まると、グリストラップ内の流れも悪くなるので注意しましょう。つまりを引き起こす場合もあります。動物性油は融点が高く溶けにくいので、ラードやバターをよく使う店舗は特に注意が必要です。

グリストラップの設置場所

グリストラップを設置できる場所には「屋外」「厨房内」「厨房以外の店内」「地下」の4パターンあります。

店舗が建物のどの場所にあるのかによって、適切な設置場所が変わってきます。また、設置場所によっては注意しなければいけない点もあるため、しっかり確認しておきましょう。

屋外

グリストラップを屋外に設置するお店の特徴は、建物の1階に店舗を構えていることが多くあります。店舗が2階や3階といった上部の階にある場合は、屋外に設置してしまうと清掃するために移動の手間がかかります。また、排水の流れを考えても階数が違うとそれだけ排水管を伸ばさなければいけないので構造的に難しいところがあります。

建物によっては排水管設備が整っている場合もありますので、建物の構造に注意して屋外に設置するかどうかを判断しましょう。

厨房内

グリストラップは、厨房内に設置することが多い傾向にあります。その理由は、清掃のための利便性がよいことからによります。

厨房内であればシンクからの距離が短く、水を多く使う場所であるため清掃に必要な水を引っ張ってきやすくなります。お店で働いている従業員にとっても、掃除のためにわざわざ屋外に出る必要がなく、清掃に移る際の移動が簡単です。

従業員が清掃をする手間を少しでも省いて、負担を軽減したい場合は厨房に設置するとよいでしょう。

店舗内

店舗内に設置するケースは「厨房内にあまりスペースがない場合」「埋め込み工事の費用を節約したい場合」です。お店によっては厨房にグリストラップを置くスペースがないこともあります。そのときは、店舗内でも厨房の外に設置しなければなりません。

ただしその場合は、注意点があります。1つは、清掃のための水を運搬することが大変なことです。2つ目は、置き型タイプであればその分のスペースが必要になるということがあります。グリストラップを設置する際は、清掃作業の手間も考慮して設置場所を検討しましょう。

地下・床下

地下や床下にグリストラップを設置するケースもあります。地下倉庫に排水管を繋げて設置する方法です。地下や床下に設置することで、店舗内でグリストラップが障害になることを防げます。

店舗内に置いてしまうと移動の邪魔になってしまったり、導線を邪魔したりする可能性があります。しかし、地下や床下に設置するとそのような心配はありません。

ただし、地下や床下に設置する場合は、屋外に設置するほど大きな容量のものを設置できないことを覚えておきましょう。よく厨房が一段高くなっているお店がありますが、底上げをして段差部分にグリストラップを設置している可能性があります。建物の構造から深さを確保できないため、浅いグリストラップになりがちという特徴があります。

グリストラップに使用される素材の種類

グリストラップの素材は3種類に分けられます。「ステンレス」「FRP」「モルタル」と分けられますが、それぞれ費用や特徴が異なることを覚えておきましょう。

購入しようとするグリストラップに使用している素材について理解しておけば、かける費用に失敗したり、商品選びに迷ったりする心配が減ります。素材から適切なグリストラップが選べるように、それぞれの特徴をご紹介します。

ステンレス

ステンレスは鍋などでも使用している素材ですが、その名の通りサビにくいことが特徴です。サビにくいだけではなく強度が強いため壊れにくく、長期間使用できます。

ほかの素材と比較すると、購入にかかる費用が高いことがデメリットです。しかしその分、長期的に使用できるためコストパフォーマンスが高いと評価されています。強度が強いことからも、破損などによる水漏れが大きなリスクとなる商業施設で数多く採用していることが特徴です。

FRP

FRPとは、Fiber-Reinforced-Plasticsの略で繊維強化ブラスチックのことを指しています。同じ素材を使用しているものとして、自宅のお風呂の浴槽を思い浮かべると分かりやすいでしょう。

ほかのグリストラップの素材と比べると費用が安いため、一般的な飲食店でよく使われています。しかしプラスチックということもあり、熱による破損や変形が生じることがリスクにあります。使用する際は、注意深く使うことが大切です。

モルタル

グリストラップの商品を購入するわけではありませんが、モルタルで自家製グリストラップを作ることも可能です。地面に空洞を掘り、そこにモルタルで塗り固めて排水を流し込むことでグリストラップに代替できます。

モルタル製を使用する場合はグリストラップを購入したり、大きな費用をかけて工事を行ったりする必要がありません。費用を抑えてグリストラップを導入したい、と考えている方におすすめです。ただし、市販のグリストラップよりも強度が弱くなる可能性があることを覚えておきましょう。

グリストラップのタイプの種類

グリストラップは、形状によっても分類できます。「床置き型」「浅型」「深型」の3種類ありますので、店舗の規模や構造と合わせ適切なタイプを選ぶことができます。

どのようなお店に、どのタイプのグリストラップが適しているのかを知っておくと、商品選びの際に頭を悩ませる必要もなくなります。「床置き型」「浅型」「深型」の3種類のタイプについてまとめました。

床置き型

床置き型は、その名の通り床に置くタイプのグリストラップです。屋外に置くというよりも、お店の中のシンクのところに設置する店舗が多いでしょう。比較的、規模が小さい飲食店やコンビニで設置しているケースです。

床に置くため、あまり大きな容量のものはありません。40リットル未満のタイプが多く、たくさんの排水を受け止めることは難しいという特徴があります。そのため、定期的な清掃が必須になるため、使用する際は注意しましょう。

浅型

浅型は、浅めに作っているタイプのグリストラップです。厨房の床部分に埋め込んでいることが多く、このタイプを屋外に設置しているケースはあまりありません。

浅型という名前からは容量が少ないイメージがあるかもしれませんが、約20~200リットルまでとサイズ豊富です。浅く掘るだけで設置できるため、工事がしやすいという特徴もあります。ビルの店舗や居抜き物件で導入しやすく、サイズの大きなタイプのグリストラップと比較して清掃がしやすいことがメリットです。

深型

大きめの店舗には、深型タイプのグリストラップが多い傾向にあります。厨房内、屋外のどちらにも設置でき、浅型よりも幅広いサイズがあることが特徴です。約60~600リットルの範囲であるので、店舗に合ったサイズで設置できます。

深型のグリストラップは、底が深いため沈殿物の清掃が大変なことがデメリットです。しかし、水深が深いと油脂と水がしっかり分離してくれるため、油脂を回収する効率が高くなることが魅力的なポイントになっています。

グリストラップを屋外に設置する場合の注意点

屋外に設置するタイプのグリストラップは、基本的に底が深いという特徴があります。どのくらいの深さかというと、商品によっては人がひとり入れるほどのサイズです。そのため、グリストラップの清掃を行う場合は落下に注意しましょう。

もしスタッフが清掃を行なっている場合は、事故を避けるためにもプロの業者に任せることが大切です。慣れていない人が清掃を行うと危険が伴います。グリストラップによる事故のリスクを避けたい方は、専門業者であるアイエスジーに任せてみましょう。

まとめ

グリストラップを屋外に設置するメリットやデメリット、またグリストラップの種類や屋外ではない設置場所についても解説してきました。

屋外にグリストラップを設置することによって、臭い対策には効果的です。店舗内に設置すると臭いが充満することがあり、店内の衛生環境に悪影響を与えかねません。しかし、屋外に設置することでそのようなリスクを避けることができます。

ただし、メンテナンスは容易ではありません。季節によっては害虫が増えたり、油脂が冷気で固まることで排水詰まりを起したりする危険性があります。従業員に負担をかけずに定期的に清掃したい場合は、代理清掃を頼んでみてはいかがでしょうか。

アイエスジーなら長年の実績とノウハウで衛生基準を維持してくれます。さらに、産業廃棄物の優良認定を行政から受けていますので安心して任せられます。グリストラップの管理に悩んだら「アイエスジー」に相談しましょう。