グリストラップの維持に排水管を高圧洗浄!特徴や価格を徹底解説!

グリストラップをこまめに清掃していても、グリストラップにつながる排水管やグリストラップの先の排水管の中までは日ごろ目が届きません。グリストラップの清掃をしても排水の流れが悪かったり、臭いがあったりという場合は排水管の中に油汚れが溜まっているかもしれません。

油脂分の清掃は難しいため「高圧洗浄を用いて清掃したい」と、考えている人もいるのではないでしょうか。

グリストラップにつながる排水管内のこびり付いた油汚れは、高圧洗浄を用いることで見違えるほどキレイにすることができます。しかし、自分で購入して処理しようとしても、排水管の仕組みからして素人には作業しにくいものです。また、落とした油汚れを産業廃棄物ではなく、一般ごみに混ぜてしまい法律違反を犯してしまう心配もあります。

そこで今回の記事では、グリストラップにつながる排水管内の特徴や価格についてご紹介します。清掃業者に依頼する際の疑問点を解消して「自分で清掃するか」「業者に依頼するか」検討してみましょう。

グリストラップにつながる排水管の高圧洗浄とはどういうもの?

高圧洗浄とは、高圧の水を吹きつけて汚れを落とす清掃方法のひとつです。特に目に見えない排水管の中は、油脂が固化してなかなか除去できません。このような手ごわい汚れに対して、高圧洗浄を使用すれば簡単に汚れを落とすことができます。残りやすい油汚れはつまりの原因になりますので、定期的に高圧洗浄を利用して効果的に汚れを落としていきましょう。

グリストラップの清掃の工程

高圧洗浄による排水管の清掃は、グリストラップの清掃と一緒にするとよいでしょう。グリストラップの清掃は一般的には7つの工程があり、段階的にキレイにしていきます。全ての工程が完了したころには、底が透けて見えるようになります。順を追って解説していきますので、ひとつひとつの作業内容を確認しておきましょう。

1.排水管の状態を確認する

清掃はまず、排水管の状態を確認することから始めます。どの業者に依頼したとしても、最初は現場の確認から入っていきます。

排水管はどのくらいスムーズに流れているのか、詰まり具合はどのくらいかといったことが最初の確認事項です。どの部分が詰まっているのか、その原因は何かといったことを見極めて、効率的に作業を進めていきます。

2.排水管内を高圧洗浄する

確認作業が終わったら、実際に高圧洗浄を用いて清掃を始めます。まずは、グリストラップまでの間の排水管内からです。

排水管の中は、油分が溜まりやすくなっています。場合によっては油脂が固化して、管内壁部に付着してしまっていることもあります。付着した油は時間が経つと石のように固化してしまいます。固化してしまうとその場にどんどん蓄積していくので、詰まりの原因となります。

そのような固化してしまった油汚れでも、高圧洗浄を使用することでしっかり洗い落とすことができます。グリストラップまでの間の排水管を高圧洗浄すると、汚れた水や油かすなどが、そのままグリストラップに流れていきます。油カスは産業廃棄物として処理する必要がありますので、グリストラップ内の油脂分や汚泥と一緒に廃棄しましょう。

3.仕切り板を清掃する

次にグリストラップ内部の清掃です。まず、グリストラップの中を区分けしている仕切り板を清掃します。グリストラップは油を蓄積させる場所なので、仕切り板にも油汚れがついています。

仕切り板の清掃には、洗剤を付けたブラシを使用してキレイにしていきます。万が一、ブラシで落ちないような強い汚れがある場合はヘラなども使用します。

4.バスケットを清掃する

バスケットはゴミが溜まりやすい部分のひとつです。高圧洗浄を使用する前に、バスケットに溜まった食べ残しなどの固形のゴミを破棄します。バスケットに溜まっているゴミは生ゴミに該当するため、燃えるゴミと一緒に破棄できます。

その後、バスケットそのものを洗います。バスケットには、専用の洗剤を塗布したブラシを用いることが一般的です。油汚れだけでなく、目詰まりがないかどうかを確認しながら清掃しましょう。

5.本体を清掃する

次にグリストラップ本体を清掃します。バスケットや仕切りを全て取り出して、清掃しやすい状態に整えます。部品が残ったままでは、細かい部分まで汚れが落とせない可能性があります。必ず中に入っているものを取り出して、グリストラップ全体を洗います。

本体の壁面についた汚れや、底部分についた汚れは見落としやすいため注意が必要です。洗い残しがないように、隅々まで確認しながらブラシや高圧洗浄を用いてキレイにていきます。

6.ゴミや汚れをバキュームで吸引する

こびりついている汚れが落ちてきたところでバキュームを使用します。グリストラップ内に残っている汚れをバキュームで吸引していく作業です。油脂分や汚泥、細かいゴミを目で確認しながら残らないように吸引します

ここまでの作業が完了したら「本体部分」「バスケット」「仕切り板」と、それぞれの部品に洗い残しがないかを確認します。洗い残しがあるとすぐに悪臭が発生する原因にもなります。

7.排水管の状態を再確認

汚れを全て落としたら、排水管の状態を再度確認します。排水管に汚れが残っていると、すぐにまた詰まりの原因になります。

最後に厨房からグリストラップへとしっかり排水が流れているかどうか確認して、作業を完了します。全ての作業がしっかり完了していると、作業前とは比べ物にならないくらいキレイな状態になっています。別途費用を要しますが、目視できない排水管内をカメラで 確認することもできます。

高圧洗浄の依頼にかかる価格

グリストラップの清掃中に排水管のつまりが判明したら、グリストラップの清掃に加えて排水管の高圧洗浄も依頼しましょう。グリストラップだけですと19,000円~が相場ですが、排水管の高圧洗浄は別途追加の費用がかかります。高圧洗浄をしないで排水管のつまりを直す方法もあり、こちらはグリストラップの清掃とセットで70,000円~90,000円が相場です。

店舗で行えるグリストラップの清掃の仕方

プロの業者に依頼してグリストラップを清掃してもらうと安心できます。しかし、日ごろから店舗としてもグリストラップを清掃してキレイな状態を保つことも大切です。

そこで、店舗で行えるグリストラップの清掃方法をご紹介します。プロの手を借りずに日ごろの清掃を行えるように、清掃方法をしっかり把握しておきましょう。

バスケットの清掃

グリストラップのバスケット部分は毎日清掃する必要があります。バスケットは生ゴミや野菜くずが溜まりやすい部分です。特に営業時間終了後や、繁忙期はゴミが大量に溜まっていることが多くなります。溜まったまま放置すると、悪臭や害虫発生の原因となるため、毎日清掃することがポイントです。

バスケットの清掃は、バスケットの取手部分を持ちながら水気を切ります。水気を切ると、網目より大きい固形のみが残るため、生ゴミとして燃えるゴミと一緒に捨てましょう。

清掃するときは、服にゴミや汚水が飛んでしまうことがあります。生ゴミが服に付いたまま通常業務を続けると、衛生的によくありません。場合によっては食中毒などのリスクもあります。清掃中、清掃後の服装にも注意して作業しましょう。

油脂の除去

油脂に関しては、2~3日に1回のペースで除去します。それ以上放置してしまうと、油脂分を狙って害虫が寄ってきてしまいます。また、悪臭が発生する原因にもなるため、2~3日に1回は油脂を除去しましょう。

油脂は浮いているので、比較的取りやすい状態です。グリストラップの大きさによってすくい上げる手間は変わりますが、柄杓や油除去シートで取り除きます。

大きめのサイズのグリストラップを使用している場合は、油脂の量が多いため柄杓や油除去シートでは処理できないこともあります。手間も時間もかかってしまうことを考えると、業者に依頼する方が効率的に進められるでしょう。

トラップ管の清掃

トラップ管は2~3ヵ月に1回の頻度で清掃しましょう。臭気止めの役割を果たしている蓋が付いている場合は、外してから清掃に移ります。蓋には油分が付着して滑ることもあるため注意が必要です。

トラップ管の中を清掃する際は、ブラシやタワシを使用して磨くとよいでしょう。トラップ管は、ほかの部分と比較すると汚れがそこまで溜まる部分ではありませんが、衛生面を考慮して定期的に清掃を行いましょう。

清掃が完了したら、蓋を閉め忘れないように注意が必要です。臭いが漏れていく可能性があります。

店舗で清掃をする際の注意点

業者に依頼する場合は、専門知識をもって作業をしてくれるため安心して作業を頼めますが、自分たちで清掃を行う場合に注意することがあります。それはグリストラップ内の汚泥と油脂分を「一般ごみに混ぜて処理をしない」ことです。

グリストラップ内のバスケットに溜まったゴミは生ゴミとして、一般ゴミに出せます(一部自治体では、産業廃棄物扱い)。しかし、回収した油脂分と汚泥は「産業廃棄物」に該当します。産業廃棄物を一般のゴミと一緒に出すことは不法投棄となります。1,000万円以下の罰金もしくは5年以下の懲役が課せられます。

費用を節約するために店舗で清掃を行う事業者も多いですが、不法投棄にならないように汚泥と油脂分は一般のゴミと分けて「産業廃棄物」として出すようにしましょう。高圧洗浄で洗い流した水やゴミも同じ扱いですが、グリストラップまで流して一緒に処理すると効率的です。

ゴミの処理方法に関して不安な方は、清掃業者に委託すると安心でしょう。清掃の手間や産廃の事務手続きも省けるため、業者に依頼するのがおすすめです。

まとめ

厨房などの排水には油汚れが多いため、排水管やグリストラップの清掃が大変です。店舗のスタッフのみで清掃することも可能ですが、手間や時間がかかってしまいます。時短になるからと市販の高圧洗浄を購入しても、洗浄力が足りない場合もあります。

細かい汚れまでしっかり落とすためには、業者に依頼するのが早道です。業者に依頼したいと思っている方には、専用の道具とノウハウで徹底的に清掃を行うプロであるアイエスジーがサポートします。