グリストラップで出たゴミの捨て方

飲食店の開店に向けて準備をしている方の中には、グリストラップの清掃やゴミの処理方法がよく分からないという方もいるのではないでしょうか。グリストラップの清掃方法やゴミの処理方法を把握しておくことで、グリストラップに関わるトラブルを回避することができます。そこでこの記事では、グリストラップで出たゴミの捨て方について具体的にご紹介します。

害虫や悪臭に悩む前に、しっかりグリストラップ清掃方法やゴミの処理方法をマスターして、グリストラップの不安を解消しましょう。

グリストラップの清掃とゴミの捨て方

グリストラップ初心者の中には、清掃方法が分からないという方は少なくありません。グリストラップは定期的に清掃しないと虫が湧いたり悪臭の原因となったりします。

グリストラップのゴミには「生ゴミとして処理しても良いもの」と「産業廃棄物として処理するもの」の2つに分類されます。産業廃棄物は、法律に従って処理をおこなう必要があるため十分に注意しましょう。

毎日清掃が必要なグリストラップのバスケット

グリストラップの中でもバスケットは、排水の中にある大きなゴミを溜める役割があります。ゴミが蓄積しやすい部分でもあるので、頻繁に除去する必要がある箇所です。そのため、グリストラップのバスケットは毎日清掃しましょう。

水気をしっかりと落としてから持ち上げるようにし、バスケットの中にあるゴミを取り除きます。グリストラップのゴミは「産業廃棄物処理法」に基づき産業廃棄物として処理しなければなりません。一方、バスケットのゴミに関しては「生ゴミとして処理」しても問題ありません。

2〜3日に一度清掃が必要なグリストラップ上部の油

グリストラップ上部に浮いている油は2〜3日に一度、最低でも週に一度すくって除去しましょう。これを怠ってしまうと油を栄養分とする虫が湧いてしまったり、悪臭を放ってしまったりします。油をよく使用する事業の場合は、頻繁に清掃しないと溢れてしまうことがありますので、清掃周期をしっかり管理しておきましょう。

グリストラップ上部の油は、第二槽目に溜まっています。油をすくい上げたらよく水気を切ってから回収しましょう。小さいグリストラップであればアク取りやひしゃくですくい上げられますが、ある程度のサイズがあるグリストラップならバキュームなど専用の清掃機具が必要です。

グリストラップの出口であるトラップ管は2~3か月に一度

グリストラップの出口であるトラップ管は、バスケットや二槽目の油ほどひどく汚れることはありません。そのため、2~3か月に一度の清掃で十分キレイに維持できます。

トラップ管はグリストラップの第三槽目にあります。清掃する際は、まずトラップ管についている蓋を取り外します。次にトラップ管本体を取り外し、手の届く範囲で金タワシなどを使用して油汚れをしっかり擦って落とします。

トラップ管は年数の経過とともに劣化し、清掃しても汚れが落ちない場合があります。破損や詰まりの原因にもなりますので、必要に応じて交換しましょう。その場合は業者に頼むか、ホームセンターで購入します。

グリストラップのゴミは産業廃棄物として区別する

グリストラップにあるバスケットのゴミは「生ゴミ」として処理が可能ですが、第二槽目に浮いている油は「産業廃棄物」扱いです。産業廃棄物の処理法は法律によって定められており、不法に投棄してしまうと懲役刑や罰金刑が科されることもあります。

そのため、どのように仕分けて処理すれば良いか分からないという場合は、産業廃棄物業者に聞いてみましょう。法律に抵触する事柄ですので、自己判断せず専門家に頼ることも大切です。

産業廃棄物として処理したかどうかはマニフェストが証明してくれる

グリストラップのゴミがきちんと産業廃棄物として処理されたかどうかは「マニフェスト」が証明してくれます。マニフェストとは、産業廃棄物の処理を業者へ委託するときに必要な伝票のことです。アメリカの有害廃棄物管理制度を参考に、1990年から導入されました。

マニフェスト制度の目的は「産業廃棄物が適切に処理されたか確認すること」と「産業廃棄物処理の流れを記録に残すこと」の2つです。業者に委託して処理する産業廃棄物はマニフェストによって管理することが義務付けられています。

グリストラップのゴミの捨て方は産業廃棄物と同じ

グリストラップのゴミの捨て方は産業廃棄物と同じです。産業廃棄物を処理するためには「資格を持った専門業者に委託する必要」があるほか、産業廃棄物に関する「法律を守る必要」があります。

次にご紹介するのは、専門業者に委託する方法や産業廃棄物に関する法律についてです。法律に違反してしまうとどのような罰則が科されるのかについて具体的に解説します。

産業廃棄物として業者に処理を依頼する

産業廃棄物として処理するには、資格を持った業者に依頼して処分してもらう必要があります。そのためには、まず先述したマニフェストを取得しましょう。マニフェストには紙版と電子版があります。

紙のマニフェストは、全国の産業廃棄物協会から有償で入手できます。電子版は、日本産業廃棄物処理振興センターから取得可能です。

マニフェストが取得できたら、産業廃棄物を処分してくれる業者に連絡をしましょう。その際に、業者が都道府県知事の許可を得ていることを確認することが大切です。現在はホームページを開設している業者も増えてきていますので、企業情報を確認してから依頼するようにしましょう。

(参考:『産業廃棄物協会』https://www.zensanpairen.or.jp/disposal/manifest/

(参考:『日本産業廃棄物処理振興センター』https://www.jwnet.or.jp/jwnet/index.html

グリストラップのゴミの捨て方と法律

グリストラップのゴミは、バスケットに溜まる生ゴミと油脂分と汚泥の3点です。そのうち油脂分と汚泥は「産業廃棄物」で処理する必要があります。産業廃棄物の処理について定めているのは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」という法律です。この法律は、生活環境の保全と公衆衛生の向上を目的としています。

グリストラップは、下水に有害物質を流さないために排水をろ過するものです。そのため、グリストラップで出るゴミは有害物質です。産業廃棄物として規定されたゴミなので、適正な処理をしなければなりません。一般ゴミで処理すると不法投棄として処罰の対象になります。

また、運搬や処理する際も特別な資格が必要です。仮に処理を依頼した業者が資格なく処理した場合、不法投棄と同様に法律違反になってしまいます。依頼の際には資格を持っているかどうかきちんと確認しましょう。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律に違反した場合の罰則

廃棄物の処理及び清掃に関する法律に違反した場合、最悪のケースだと懲役刑や罰金刑に科されることがあります。

産業廃棄物を不法投棄した場合や、無許可で営業していることを知っていながらその業者に委託した場合に科されるのが「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下」の罰金です。こちらは個人に対しての場合で、法人の場合は3億円以下の罰金が科されます。

科される刑罰としては非常に重く、一度法を犯してしまうと再度事業をおこなうことも難しくなってしまいますので、法律に従って業者に委託するようにしましょう。

グリストラップを放置すると起こるトラブル

グリストラップを清掃せずに放置してしまうと、排水溝が詰まってしまったり虫が湧いてしまったりと、さまざまなトラブルが発生します。場合によっては無駄な費用が発生してしまうことや、お店としての評判を著しく下げてしまうことがあります。グリストラップを放置すると起こるトラブルについて、事前にリスクとして管理しておきましょう。

排水管の詰まりで汚水が逆流してくる

グリストラップを清掃せずに放置すると、まずグリストラップ内が詰まり始め、汚水が排水管に流れます。それでも放置していると排水管も詰まってしまい、もう排水の逃げ場はありません。フタが汚水で浮き始め、店内に汚水が充満してしまいます。

排水管が詰まってしまうと素人が解消することは難しく、専門の業者に頼むことになるケースがほとんどです。専門の業者に頼むことになれば、その分の費用がかさむことになります。定期的にバスケットの清掃や油のすくい上げをおこなっていれば、排水口が詰まることや無駄な出費をすることもありませんので、定期的に清掃するようにしましょう。

グリストラップの汚れに微生物や虫が湧く

グリストラップの清掃を怠ると、油を栄養分とする微生物や虫が湧いてしまうことがあります。虫が湧いてしまうと店内で飛来することもあり、それらを駆除するための費用が発生します。

また微生物によって分解された物質が悪臭を発生させることもあり、最悪の場合はその臭いによって飲食店としての評判も下がってしまう可能性があります。不衛生な環境で評判を落とさないよう、取り除く必要があるゴミは定期的に処理するようにしておきましょう。

グリストラップが詰まる前に対策を!

もしグリストラップを放置しているという心当たりがあるなら、今すぐグリストラップの清掃をおこないましょう。しかし、グリストラップの構造を理解していない素人がいきなり着手すると、かえって状態を悪化させてしまう危険性があります。

そのため、これまでまったくグリストラップの清掃をしてこなかったという場合や、長い間清掃をおこなわなかったという場合はプロの業者に相談しましょう。専用の用具や機器を使用して、適切に清掃をおこなってくれます。

グリストラップのプロである業者の仕事

グリストラップの清掃はプロと素人では異なります。プロは専用の道具を使用するため、素人が清掃をおこなうよりも時間が短く確実です。

この項目では「プロがどのようにグリストラップの清掃をおこなうのか」「プロと素人では何が違うのか」「プロに頼むとどのくらいの費用がかるのか」についてご紹介します。実際に頼むことを想定して、業者の仕事内容を把握しておきましょう。

グリストラップの清掃にかかる費用

アイエスジーで処理すると、250リットルの汚泥処分量だった場合の値段は19,000円~です。グリストラップには床置き型(10~50リットル程度)、浅型(50~150リットル程度)、深型(150~500リットル程度)など様々なタイプがあり、グリストラップ内の汚泥量が多いほど清掃費用も高くなっていきます。

具体的な費用がいくらになるのかは、実際に問い合わせて見るのがよいでしょう。電話とメールで受付をおこなっていますので、まずは気軽に相談してみることから始めましょう。グリストラップの寸法や作業環境などの確認をしたうえで見積もりを出してくれます。

プロと素人の仕事の違い

プロと素人の違いは、清掃に使用する道具です。グリストラップの清掃では、汚泥と廃油を水が透き通るまで取り除く必要がありますので、プロは専用のバキュームを使用しています。

大規模な店舗で、駐車スペースがある場合に使用するのがバキュームカーです。強力な吸引で、汚泥と廃油を清掃します。しかし、バキュームカーを店舗前に停めているとイメージ的によくありません。そのため、アイエスジーでは車両に化粧を施してカモフラージュしています。

グリストラップの清掃は、大規模な店舗に限ったことではありません。中にはマンションの一室で経営しているなど、バキュームカーが停められないケースもあります。その場合に使用しているのがポータブルバキュームです。高層階にあるグリストラップでも清掃ができるタイプで対応します。

まとめ

この記事では、グリストラップで出たゴミの捨て方についてご紹介しました。グリストラップのゴミは産業廃棄物として処理する必要があり、簡単に自己処理できません。

また、グリストラップを長年放置してしまうとさまざまなトラブルに発展してしまう可能性があり、素人ではかえって状態を悪化させてしまうことがあります。迷ったとき、悩んだときはプロに定期メンテナンスを頼むのがよいでしょう。

アイエスジーでは、グリストラップの容量をベースにその他、設置場所や作業時間などによって料金を設定しています。マニフェストの発行もおこないますので、まずは気軽ご相談ください。