グリストラップの詰まりを修復するためにかかる料金はいくら?メンテナンス方法も解説

飲食店を経営している方やその従業員の方が、手間に感じている業務のひとつがグリストラップの清掃です。グリストラップは油汚れがひどく、店舗内の清掃場所のなかで特に体力が必要になります。

また、負担が大きいからといって清掃を怠ると排水詰まりを起こします。清掃を怠るだけで二重三重と被害が大きくなり、その修繕費用も余計にかかります。そのため、グリストラップの清掃を業者に依頼したいが「費用が気になる」という人もいるのではないでしょうか。

グリストラップの清掃料金は状態や環境によって上下しますが、大体の料金目安を知っておくことで問題が起きても業者を頼りしやすくなるでしょう。

そこでこの記事では、グリストラップが詰まったときの修復料金の相場をご紹介します。加えて、清掃業者に依頼する必要性や業者選びのポイントについてもまとめました。グリストラップの清掃や修繕に必要な費用を確認し、リスクに備えておきましましょう。

グリストラップ詰まりの修復料金の相場とは?

グリストラップが詰まり、業者に修復を依頼した場合の費用相場は2万円~5万円となります。ただし、建物の構造や状況によって料金は上下するので、相場は目安としてとらえましょう。料金は、グリストラップを設置している「場所」「サイズ」「清掃頻度」という項目から算出します。

相場だけをみて、あまりの費用に自分たちで清掃しようと考える人もいるかもしれません。しかし、業者に依頼した方が店舗衛生に気を配りながら清掃してくれたり、素人では落とせないような汚れまで落としてくれたりします。「詰まり」ともなれば、従業員のみではできない処理もでてきます。

グリストラップ詰まりを業者に解消してもらいたい場合は、見積もりを出してもらい、具体的な数字を出してもらうとよいでしょう。料金相場はあくまで目安です。見積もりを依頼することでより正確な金額を出せるため、詰まりの修繕を業者に依頼したい場合はまず相談してみることをおすすめします。

グリストラップの仕組みとは?

グリストラップとは汚水を河川や海に直接流さないために、厨房からの排水を油脂と水分に分離させる働きをしています。三槽構造で処理することで油脂を分離させ、下水法で定められている基準値以内の厨房排水を下水に流しています。

一槽目では、比較的大きなゴミを収集します。バスケットというカゴ部分で、食べ残しや爪楊枝、割りばしといった固形物をすくい、残りの液体が第二槽へ流れていきます。生ゴミが溜まりやすい部分であるため、毎日清掃することが必要です。

二槽目では油脂と水分を分類します。油脂は水面に浮かび上がる性質があるため、それ以外のゴミや水分が下の部分に溜まることで分類できています。しかし、油脂が溜まっているにも関わらす、油脂を取り除かないで放置していると分離機能が低下して第三槽まで流れていく可能性があります。

三槽目では、二槽目から流れ込んだ水分をさらに分離させて水分だけを下水に流します。万が一、二槽目から油脂も一緒に流れ込んだとしても下水に油脂が流れ込まないように、トラップ管が設置してあることが特徴です。トラップ管の口は水中にあるため、三槽目に流れてきた油脂の下から油脂以外の水分が下水に流れる仕組みになっています。

なぜグリストラップが必要なのか?設置しないと法律違反?

グリストラップは設置しなくても法律で罰せられることはありません。それは「設置しない」ことによる罰則は設けられていないからです。

しかし、設置義務がないからといって設置していないと別の問題が生じることがあります。まず、グリストラップを設置しないと下水法で定められている水質基準を満たせなくなります。一定の基準を超える油脂分を含む水を排出してしまうと、下水法に触れてしまい罰則が科せられます。

グリストラップを設置しないこと自体は法律違反には該当しません。しかし、家庭と同じような感覚で排水を店外に流してしまうと、汚染物質を流していることにつながり法律違反となってしまいます。周囲の環境にも悪提供が及べば、修繕の責任義務が課せられることもあります。そのため、必然的にグリストラップを設置する必要があるのです。

一般家庭においては数人分の油脂を含む排水を流すため、下水法に引っかかるほどの汚水にはなりません。しかし、店舗運営になると数十人、数百人という多くの油脂分が排出されるためグリストラップによるろ過が必要とされています。

普段からグリストラップをキレイにしておくメリットとは?

グリストラップを清掃せずに放置している事業者の方も少なくないですが、こまめな清掃をすることによるメリットは大きく運営に影響します。

代表的なメリットとしては「悪臭や害虫発生の防止」効果です。定期的な清掃を行わずに店舗運営していると、知らずに鼻を突くような臭いが発生したり、害虫が湧いて出たりするリスクがあります。それらは来店者を不愉快にさせる原因となるため、注意が必要です。

また清掃を怠ることで詰まりを起こし、グリストラップ本来の役割も果たせなくなる危険性もあります。以下では、さらに具体的なメリットをご紹介します。

排水管の詰まりを防止できる

グリストラップを清掃することで排水管の詰まりを防止して、排水を適切に処理できます。グリストラップ自体は設置の義務はありませんが、排水を適切に処理しないと法律違反になる可能性があります。

さらに定期的な清掃行わないと、グリストラップ本来の役割を果たせなくなるかもしれません。それは、グリストラップ内にゴミが詰まり、スムーズに排水できなくなるからです。

排水機能が落ちている状態を続けていると、店舗運営にも影響が出る危険性があります。場合によっては、逆流してしまい営業できなくなる事態に陥ってしまうケースも出てくるでしょう。

グリストラップを清掃することで、店内からの排水を適切に処理できます。定期的な清掃をしていれば、グリストラップ本来の機能「水分から油分を分離する」ことが正常に行われます。

そのため、安全で衛生的な店舗運営をサポートしてくれるのです。グリストラップを必要とする店舗を運営している人は清掃を怠らず、法律を遵守して衛生的な店舗運営を行いましょう。

悪臭の発生を防止できる

グリストラップ内には生ごみが溜まるため、清掃せずにいると厨房内に悪臭が漂うこともあります。生ごみが発する悪臭は臭いがキツイため、従業員の労働環境としても好ましくありません。やる気が削がれ、最高のサービスを提供することが難しくなる可能性もあるでしょう。

グリストラップが発する悪臭が酷くなると、客席にまで臭いが届くこともあります。店舗への客数低下に繋がるリスクも出るため、定期的な清掃を心がけることが大切です。

特に、グリストラップのバスケット部分に溜まっている食べ残しからくる生ゴミは毎日破棄しましょう。バスケットに専用の網をかぶせることで、手軽に処理できます。便利なアイテムを使って、スタッフのためにもお客様のためにも清掃を習慣づけることが重要です。

害虫の発生を防止できる

グリストラップを清掃しないことによる臭いやゴミが原因となり、害虫が発生する危険性もあります。

ゴキブリやチョウバエといった害虫が発生すると、心地よく店舗を運営することは難しいでしょう。厨房内に害虫がいるのを見かけるだけでも従業員のやる気は削がれます。

客先に害虫が発生すると、お客様が美味しく料理を食べることも難しくなります。さらに、料理の中に害虫が入り込んでしまうかもしれません。大きな問題になり店舗運営にも悪影響を及ぼすため、日ごろの清掃によってそのような事態を防ぐ必要があるのです。

害虫は一度発生してしまうと、繁殖して駆除することが大変になってしまいます。そのため、害虫がそもそも発生しないように定期的な清掃を行うことが大切です。

グリストラップをメンテナンスする方法とは?

グリストラップは適切なメンテナンスを行うことで、悪臭の発生や害虫が湧き出ることを防げます。適切なメンテナンス方法を把握して、定期的にチェックする習慣をづけましょう。

メンテナンスの際は、一槽目、二槽目、三槽目をそれぞれ個別で行うことがポイントです。毎日全てをメンテナンスしなければならないわけではありません。各槽のメンテナンスのポイントを把握して、効率的に少ない負担で衛生的な環境を保てるようにしましょう。

バスケット(一槽目)の手入れ方法について

一槽目のバスケット部分は、米粒が通るくらいの網目なのでゴミが溜まりやすくなっています。野菜くずや残飯といった生ごみが溜まるため、放置すると悪臭や害虫発生の原因になりかねません。

バスケットは毎日清掃しましょう。バスケット内に溜まったゴミを処理する際は、水気を切ることがポイントです。その際に汚れが服に飛び散ることも多々あります。服に飛んだ汚れが原因となり、食中毒に繋がる危険性もあるので注意しましょう。

また、素手で処理すると雑菌がついてしまいます。その手で調理をすると衛生上、問題になるため、ゴム手袋を使用するようにしましょう。雑菌や汚れには特に注意して、バスケット内のゴミを毎日処理することが大切です。

油脂(二槽目)の除去方法について

二槽目は、排水を油脂と水分に分解する部分です。最低でも2〜3日に1回は清掃する必要があります。

二槽目の清掃ポイントは、グリストラップの水面に浮いている油脂と沈んでいる汚泥を取り除くことです。ひしゃくですくいあげる方法が一般的です。油脂ならば、専用のシートで処理する方法もあります。シートを二槽目に浮かせて、時間が経ったらシートを取り除くだけで油脂を処理できる仕組みです。

縦長のグリストラップの場合は、油脂を処理する作業が大変になるものです。かがんで油脂を取り除く作業を行うと腰を痛めることもあるかもしれません。その場合は持ち手が長いひしゃくを使用すると負担が軽減されます。

油脂の処理方法はいくつかありますが、グリストラップの大きさや設置場所を考慮して従業員の負担が少なくなるように処理することがポイントです。

トラップ管(三槽目)の手入れ方法について

2槽目を通過した三槽目のトラップ管には、ほとんど汚れはありません。そのため清掃頻度は、2〜3か月に1度でも問題ありません。

トラップ管には、蓋が付いているものと付いていないものがあります。蓋が付いている場合は蓋を取り外して、手がとどく範囲を清掃します。油汚れを落としやすいタワシを使用して掃除しましょう。蓋がついていない場合は、トラップ管自体を取り外してから清掃します。

また清掃するときは、蓋がサビたり壊れたりしていないか確認しましょう。破損などを確認した場合は、早めに交換しておく必要があります。放置していると亀裂などから悪臭が上ってきたり、害虫が侵入したりする危険性もあります。

グリストラップをキレイにする前に知っておくべきこととは?

グリストラップをキレイに清掃する前に、ゴミの処理方法と食中毒のリスクについて把握しておきましょう。

清掃時に出たゴミを適切に処理しないと、法律に違反してしまう危険性があります。また、処理の際に飛び散る汚れに注意しないと食中毒を起こしてしまうケースもあることを覚えておきましょう。

グリストラップから出るゴミは産業廃棄物として扱う

グリストラップから出てくるゴミは、適切に処理しないと法律違反になります。廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、グリストラップから排出されるゴミは「産業廃棄物として扱わないといけない」という内容が記載してあります。

産業廃棄物の処理については、法律を理解せずに一般ゴミと一緒に処理してしまうと違反になります。万が一違反してしまうと1,000万円以下の罰金もしくは5年以下の懲役が課されるため注意が必要です。

余計な費用を支払わないためにも、グリストラップから出たゴミは産業廃棄物として適切に処理しましょう。法律に関してだけではなく、地方自治体の条例でもグリストラップやゴミの処理について規制しているケースもあります。その地域の条例もチェックすることがポイントです。

グリストラップ掃除後には食中毒を引き起こす可能性がある

グリストラップの清掃時には汚水が飛び散るため、注意して作業しないと食中毒に繋がる可能性もあります。特にバスケット部分には生ごみが溜まり、そのゴミの水分を切る際に飛び散ることがよくあります。ほかの作業でも、グリストラップ清掃時は汚水飛び散り、不衛生です。

清掃時に付着した汚れが料理に入って食中毒を起こさないように注意しましょう。清掃するときはゴム手袋を使用したり、清掃後の手洗いや消毒を入念に行ったりして食中毒の予防を心がけることが重要です。

良いグリストラップ清掃業者を選ぶポイントとは?

グリストラップの清掃業者を選ぶためには、3つのポイントを押さえることが重要です。業者選びを間違えると、高額な料金を取られたり、仕上がりに不満が残り清掃後にトラブルになったりすることも出てくるかもしれません。

この項目では、業者選びで失敗しないためのポイントを3つまとめました。これからご紹介するポイントを押さえて、自分のお店に適した業者を選びましょう。

実績があるかどうか

業者を選ぶ際は、実績を確認しましょう。グリストラップの清掃業者はたくさんあります。事業を始めたばかりのところもあれば、長年に渡って清掃事業を行ってきたところもあります。

失敗しない業者選びをするためには、実績が豊富な業者を選ぶことがポイントです。実績が豊富であれば、それだけ蓄積したノウハウを持っています。また、実績が豊富ということは、それだけ利用者から支持されている業者ということでもあります。

ホームページに実績を掲載している業者が多いため、依頼する際はホームページの内容をチェックすることをおすすめします。

作業前にきちんと見積もりを出してくれるかどうか

グリストラップの業者を選ぶ際は、作業前に必ず「見積もり」を出してくれる業者を選ぶようにしましょう。

業者のホームページを見てみると、清掃に必要な費用を掲載している企業も多くあります。ただし、インターネットに掲載している料金はあくまで目安でしかありません。そのためインターネットに書いてある料金のみで業者に依頼してしまうと、実際に清掃を依頼した際に思ったより高額な費用請求されるケースもあります。

清掃費用は、グリストラップの設置場所やグリストラップのサイズといった項目で算出されます。またグリストラップ内の汚れ状況によっても、使用する器具が異なるため清掃費用に影響します。

そのため具体的な金額に関しては、業者が店舗を訪問して見積もりを出してもらうことが必要です。後になって、ほかの業者に依頼したほうがよかったと後悔しないためにも、見積もりを事前に作成してくれるかどうか確認してから依頼しましょう。

従業員の態度が良いかどうか

信頼できる業者のポイントとして、従業員の態度も見ておくことが大切です。もし態度が好ましくない場合、信頼して清掃の仕事を任せることは難しいでしょう。

従業員の態度は、電話での対応や現場訪問の際に業務内容を丁寧に説明してくれるかどうかといったポイントを基準に判断できます。親切な対応であれば、業者が提案するプランに素直に納得でき、要望なども伝えやすくなります。

グリストラップが臭う元となっている物質とは?

グリストラップは、清掃しないまま放置していると悪臭を発することもあります。その悪臭の原因は主に2つです。「スラッジ」と「スカム」という2つの物質が、グリストラップが臭う原因です。臭いの元となる物質の特徴や処理方法を確認することで悪臭を防止できます。スラッジとスカムという物質について解説していきましょう。

スラッジ

スラッジとは、グリストラップの底に沈殿する汚泥のことです。一槽目のバスケット部分で固形物を集め、網目よりも小さいゴミは網目を通り抜けて底に沈殿していきます。

底に溜まったスラッジの汚れが蓄積して腐敗することが悪臭の原因です。2〜3日に1回は清掃しないと悪臭が発生してしまうため、放置せずに清掃を行うようにしましょう。

スカム

スラッジはグリストラップの底に沈殿する汚れですが、スカムは水面に浮上している汚れのことです。油脂が元となってできる泡状の汚れで、ぶくぶくと浮いています。

ラーメン、焼肉を扱っているような油をよく使用するお店で発生する傾向にあります。清掃のための専用シートを使用すれば、簡単にスカム汚れを処理できるため放置せずに定期的に清掃を行うようにしましょう。

メンテナンスを行っていれば清掃業者に頼む必要はない?

グリストラップを設置している店舗によっては、清掃業者に依頼せずメンテナンス費用を節約しているところもあります。

もちろん従業員だけでグリストラップの維持管理は可能です。定期的に清掃を行うことで、悪臭の発生や害虫を防ぐことはできるでしょう。しかし、従業員にグリストラップの清掃を任せていると「労働時間の負担」や「汚いものを扱うという心の負担」が大きくなり、放置するケースが多くなるものです。

放置するとさまざまなリスクが発生するため、適切に業者へ依頼することをおすすめします。従業員が負担していた分をそのまま業者に依頼すると費用が高くなるため、詰まりのリスク回避にはどのくらいの頻度が適正なのか業者とよく相談しましょう。

年に何回かだけでも業者に依頼してキレイに清掃してもらうと、悪臭や害虫発生予防、詰まりの防止になります。さらに、グリストラップ自体の耐久性も変わってきます。

アイエスジーは実績豊富で、清掃前の見積もりも行なっています。グリストラップの清掃を外部委託したいと考えている方は、悩みや希望をアイエスジーに相談してみてください。

まとめ

ここまでグリストラップの清掃にかかる料金相場や清掃を行わないことによるリスク、清掃の必要性をご紹介してきました。グリストラップにゴミや汚れが溜まることによって、悪臭や害虫が発生するだけではなく、詰まりの原因にもなります。そのため、店舗運営において定期的な清掃は欠かせません。

従業員だけでメンテナンスをすることもできますが、肉体的にも精神的にも負担になります。しかし年に何回かは業者の技術で徹底的に清掃してもらうことで、グリストラップの耐久性が良くなり、長期的に使用することにも繋がります。

プロによる清掃を検討している方は、実績豊富なアイエスジーにご相談ください。ご予算に合わせて満足いくサービスをご提供します。