厨房のグリストラップを定期清掃する重要性と清掃の手順
飲食店で働いている人のなかには、厨房にグリストラップを設置しているが清掃をしたことがなく、清掃をするにもどうしたらよいのかわからないという人もいるのではないでしょうか。
清掃を怠ると害虫や悪臭発生の原因にもなるため、グリストラップの放置は危険です。清掃のポイントさえつかめば、グリストラップを清潔に保つことができます。そこでこの記事では、グリストラップの定期清掃の重要性や仕組みを解説します。
さらに、清掃のポイントを紹介しますので、グリストラップの清掃をしたことがない人でもすぐに実践に移せます。定期的に清掃して、衛生的なお店を目指しましょう。
厨房のグリストラップを定期清掃する重要性
グリストラップは、定期清掃が必須です。清掃せずに放置しておくとグリストラップ本来の役割を発揮できず、お店の運営やイメージを害する原因となってしまいます。
コストをかけて設置したグリストラップを無駄にしないためにも、定期清掃を行いましょう。この項目では、定期清掃の重要性について解説します。
グリストラップ内で害虫が繁殖するのを防ぐ
清掃せずに放置していると、グリストラップ内で害虫が発生します。1槽目のバスケット部分には、腐敗しやすい生ゴミが溜まっています。生ゴミは害虫の栄養源です。そのため、1槽目のバスケット内にある生ゴミを除去しないと、コバエやゴキブリが湧いてくる可能性があります。
また、2槽目に沈殿している汚泥の臭いにも害虫が寄ってきます。害虫は飛来しているだけで不衛生さを感じます。場合によっては、スタッフやお客様の気分を害することもあるでしょう。
しかし定期的にグリストラップに溜まったゴミを除去すれば、そうした害虫の発生を予防できます。場所によってはネズミも出現するでしょう。食品に雑菌を繁殖させる危険性もあるため、定期的な清掃を徹底しましょう。
排水口からの臭いを防ぐ
グリストラップは、下水に汚れた水が流れることを防ぎます。しかし清掃をしないでいると、グリストラップの油脂分解機能が低下してしまいます。グリストラップ本来の機能が低下すると、排水溝に汚れが溜まり、悪臭が発生するかもしれません。
グリストラップの清掃を習慣化していれば、本来の役割を発揮し続けられます。排水に含まれている油脂を分離してくれるため、排水口が汚れるリスクも軽減できるでしょう。排水溝からの悪臭発生を防ぐためにも、定期的な清掃が必要です。
定期的に清掃していなければグリストラップを設置する意味がない
グリストラップは、厨房からの排水を適切に処理するためにあります。しかし、清掃をしないでいては溜まった汚れやゴミがグリストラップの機能を阻害するため、設置している意味がなくなります。グリストラップの設置は無料ではできません。コストをかけて設置しているにもかかわらず、その費用を無駄にしてしまいます。
また、グリストラップが役割を果たさないと汚れた排水を下水に流すことになり、環境汚染に繋がります。排水の基準値は法律で定められていますので、基準値を超えた排水を行っていると行政から指摘を受けたり、罰則を課せられたりすることもあるでしょう。飲食店経営にとっても大切な役割があるため、定期的な清掃を徹底することが大切です。
グリストラップの仕組みと清掃の方法
厨房にグリストラップを設置しているが、その仕組みや清掃方法、効率的な清掃の仕方を知らない人も多いのではないでしょうか。厨房に設置しているグリストラップを清掃せずに放置すると料理を作るときに気になったり、お客様に提供する料理の安全性も保ちづらくなったりするかもしれません。
仕組みや部品の名前を知っておくと、定期的な清掃を行うポイントも覚えやすくなります。各部品の名称や清掃方法を確認していきましょう。
グリストラップの仕組みと部品の名前
グリストラップは、厨房からの排水中にある油脂分を分離して汚れた排水を下水に流さないようにするためのものです。
第1槽のバスケットでは、排水から大きなゴミを取り除きます。残った排水は第2槽に流れていき、油脂分が水面上に浮上して汚泥は底に沈みます。第3槽に流れ込んだ排水に含まれている残りの油脂分も水面に浮上し、きれいな水のみトラップ管から流す仕組みです。
定期的に清掃しないと、各部分にゴミや汚泥が溜まってグリストラップとしての機能を果たさなくなります。汚水が下水に流れ込むリスクがあるため、定期的な清掃を徹底する必要があります。
清掃する必要がある場所はどこか
グリストラップにおいて清掃する必要があるのは第1槽のバスケット、第2槽で浮上している油、1槽目と2槽目の水面下に沈んだ沈殿物です。汚れが溜まる部分は決まっているため「各部分がどのくらいの頻度で清掃する必要があるのか」を覚えておけばよいでしょう。
「バスケットの生ゴミ」「浮上している油脂」「沈殿している汚泥」の清掃頻度や清掃方法を分かりやすく解説します。業者に頼む手段もありますが、自分でも清掃方法を把握しておきましょう。
清掃方法を把握しておけば、業者に依頼する際に必要以上に高い金額を取られる心配が減ります。また、万が一トラブルが発生しても自分で応急処置ができるようになりますので、しっかり覚えておきましょう。
毎日実施するバスケット内の清掃方法
残飯や野菜くずといった生ゴミを溜めるのが「1槽目のバスケット」の役割です。すぐにいっぱいになりやすいため、毎日生ゴミを除去しましょう。ゴミを取り除く際は、厚手のゴム手袋を使うとよいでしょう。素手で行うと雑菌が付着し、提供する料理にも雑菌が混ざり込むリスクが発生します。
人によっては、ネットをバスケットに装着しておく人もいます。ネットをつけておくと、ネットごとゴミを除去できる便利なアイテムです。また、ネットを装着することでバスケットの目詰まりも防止できるため、一石二鳥です。効率的な清掃のためには、便利なアイテムを活用するのもよいでしょう。
2~3日に一度の第2槽の油清掃の方法
第2槽には油脂が浮いて溜まります。油分と水分は混ざり合わない性質であるため、油脂のみが水面に浮上するようになっています。ひしゃくを使って、水面に浮いている油脂を取り除きましょう。
効率的に油脂を取り除けるアイテムとして、油分吸着シートを活用する人もいます。油分吸着シートを水面に浮かせて時間を置いてからシートを取ると、いっきに油脂を除去できます。 水面に浮いている油脂分を効率的に除去して清掃の時間を節約したい人は、油分吸着シートを活用しましょう。
月に一度のトラップ管清掃
グリストラップの3槽目にある「トラップ管」の清掃も忘れずに行いましょう。トラップ管は、タワシを使って油汚れを除去していきます。タワシ以外でも油汚れをきれいできれば、道具は何を使っても構いません。
トラップ管の清掃時には汚れだけではなく、設備に不具合や破損がないかの確認も行います。管が破損していたりすると、機能性が欠けてしまいます。グリストラップの清掃は重労働でありますが、汚れや設備ともに不具合がないかしっかり確認しましょう。
グリストラップのプロに清掃を依頼するメリット
プロに掃除を依頼することで、3つのメリットがあります。プロの業者に依頼するとなると費用がかりますが、素人がする清掃よりも安心できます。慣れないスタッフや経営者が清掃を行うと、汚れや臭いが残りやすいため不快感が強くなりがちです。プロであれば専門の機具を使用するため、素人には落とせない汚れや臭いも除去できます。
また、除去した汚泥と廃油は「産業廃棄物」のため、処理する際には「マニフェスト」が必要です。マニフェストを発行することで、廃棄物を適正な処理をしている証明にもなります。
グリストラップの清掃にかける時間を節約して、店舗運営や料理の時間確保にも繋がります。繁忙期や、人手不足で清掃に手が回らないこともあるでしょう。プロの業者に依頼すれば効率的に汚れを除去できます。
グリストラップ清掃を業者に依頼する費用
グリストラップ清掃費用の目安は「250 リットル 以下で19,000円~35,000円程度」です。実際には、飲食店の取扱う料理やお店の規模、座席数、グリストラップの大きさ、清掃頻度をもとに基本料金を算出します。加えて、除去した汚泥と廃油の費用が毎回発生します。
自分の店舗の場合、費用はいくらぐらいかかるのが気になる人は、業者に見積もりを出してもらいましょう。見積りを出したからといって契約する必要はありません。納得いく内容と金額で契約するようにしましょう。
環境への負荷を抑えるグリストラップ
環境への配慮から、法律や条例によってグリストラップの設置を定めています。ただし、この規制はルールを守らせるためにあるものではなく、 環境への負荷を抑えるためのルールです。
グリストラップの設置には費用がかかりますが、設置せずにいた場合に発生する罰金や損害賠償のリスクを考慮すると、設置していたほうが安心です。害虫や害獣発生のリスクも避けられるため、費用をかけてでもグリストラップを設置しましょう。
設置したいけどメンテナンスに不安を覚える場合はまずプロに相談
クリストラップはメンテナンスが大変であるため、不安を抱える人も多いでしょう。
日々の清掃を自分たちで行うことも大切ですが、定期的にプロの業者に依頼することもおすすめします。細かい部分まで自分たちで清掃しようとすると、体力的に負担がかかったり、 多くの時間を要したりします。しかし、プロの業者であれば定期的に丸ごとキレイにしてくれるため、グリストラップを長持ちさせるためにも役立ちます。
まとめ
グリストラップを設置・メンテナンスをすることで、健全な店舗運営に役立ちます。衛生的な環境を維持しやすくなり、スタッフにとってもお客様にとっても快適な環境が続きます。
グリストラップの効果を最大限に発揮するには、定期的な清掃がポイントです。全てを従業員の手で清掃しようとすると、非常に困難で効率も悪くなります。しかし、清掃の依頼となると費用が心配になる人もいるでしょう。
業者に依頼する費用が高額にならないか心配な人は、アイエスジーに見積もり相談をお寄せください。「まだ検討し始めたばかり」「契約するか分からない」「相場が知りたいだけ」という人も歓迎します。グリストラップのことなら、アイエスジーまでお気軽にご相談ください。