厨房の清掃方法をレクチャー!清掃のコツを徹底解説!
飲食店を経営していたり、スタッフとして働いていたりする人の中には、厨房の清掃が曖昧になっているという人もいるのではないでしょうか。清掃方法が明確でないと、人によって作業の仕方が異なり、清潔な環境が保ちづらいものです。
しかし、清掃のコツさえ身につけてしまえば、清潔で好感を持ってもらえるお店を維持することができます。そこでこの記事では、衛生管理が難しい厨房の清掃方法をご紹介します。目に見えない排水部分から、目に見えるけど清掃する機会が少ない厨房設備それぞれの清掃ポイントも解説していきます。
厨房の排水設備を清掃するポイント
厨房の排水設備は、清掃せずに放置すると「害虫や悪臭発生のリスク」が高まります。お店を繁盛させていくには、不衛生な環境を改善しなければなりません。
また長期間放置すると汚れが蓄積してしまい、1回あたりの清掃の手間が大きくなってしまいます。目に見えないところでも、定期的な清掃を心がけることで清掃の手間は軽減できます。排水設備を清掃する際に、押さえておくとよいポイントをまとめました。
排水溝の清掃方法
厨房の足元にある排水溝は、内部の汚れを定期的に取り除くことがポイントです。ゴミや汚れが溜まっている状態が続くと「悪臭」や「害虫発生」の要因となります。
排水溝をキレイにするためには、デッキブラシを活用した清掃が効果的です。 蓋部分に付いている汚れもしっかり落としましょう。デッキブラシでこするだけでキレイになれば問題ありませんが、こびりついた油汚れがある場合は洗剤を使うこともあります。
グレーチングという網状の蓋に汚れがこびりついていることもあるでしょう。その際は ペーパータオルを敷いてその上から 洗剤を吹きかけることで汚れを落としやすくなります。
排水溝の清掃を後回しにしていると水が腐敗し悪臭が漂い、さらにはゴミが詰まって排水詰まりや逆流を引き起こしてしまいます。 しかし、毎日清掃すれば簡単な作業でキレイな状態を保てます。営業が終わった後は、排水溝内をきれいにしてから帰るように心がけましょう。
グリストラップの清掃方法
グリストラップも排水溝と同様に毎日気を配る必要があります。特にバスケットというカゴの部分には、残飯や野菜クズなどの生ゴミが溜まるため、そのゴミを除去しないと悪臭の原因になります。専用のネットを使用すれば手軽に除去できるため、日々の負担を軽減させるためにアイテムを活用するのもひとつの手段です。
水面に浮上している油脂は、2~3日に1回を目安に除去します。ひしゃくを使用すると取り除きやすいでしょう。沈殿している汚泥も油脂と同様2~3日に1回の頻度が適切です。グリストラップに溜まっている油脂や汚泥は「産業廃棄物」となりますので、除去した後の処理に注意しましょう。トラップ管の部分は、2~3カ月に1回程度で十分です。
理想は全ての部分を毎日清掃することですが、それではスタッフへの負担が大きくなります。バスケット部分のゴミは「生ゴミ」として簡単に処理できますので、最低限バスケット部分は毎日清掃するようにしましょう。
排水管の清掃方法
排水管の清掃では高圧洗浄を使用します。油やゴミの蓄積で排水管が詰まったときには「高圧洗浄」が役立ちます。しかし、素人では内部の汚れを完全に除去しきれない可能性もありますので、汚れの程度に合わせて業者に頼むようにしましょう。定期的に業者の清掃を取り入れることで、排水管詰まりの防止にもつながります。
また、排水管は周辺の劣化をチェックすることが重要になります。 劣化によって排水管に隙間ができたりキャップが外れてしまったりしていると、ゴキブリやネズミなどの出入り口となってしまいます。また、劣化した隙間から悪臭が漂ってくることもありますので、メンテナンスも普段から行うようにしましょう。
厨房の設備を清掃するポイント
清潔な店舗を運営していくためには排水設備に限らず、厨房の設備を定期的に清掃する必要があります。 はっきりと汚れが見えなかったり、目が届かない場所だったりと理由はさまざまですが、清掃頻度の低い冷蔵庫やフライヤー、厨房フードも定期的な清掃が必要です。
「毎日清掃することは難しい」と考える人もいるかもしれませんが、清掃のポイントを押さえておけば手軽に続けられます。次に、細かい厨房設備の清掃について確認していきましょう。
冷蔵庫の清掃方法
冷蔵庫を清掃するときにポイントとなるのは「取っ手」と「バッキン」部分です。冷蔵庫の取っ手は、たくさんの人が触れるため雑菌がつきやすい部分となります。雑菌がついた手で食品を触ると、提供する料理から食中毒が発生してしまうかもしれません。そのため、冷蔵庫の取っ手部分はこまめに「アルコール除菌」する必要があります。
冷蔵庫の扉についている「パッキン」も見落としがちな大事な部分です。パッキン部分が汚れてしまうと気密性が下がり、冷蔵庫内の電気効率が下がってしまいます。余計な電気代がかかり、無駄な出費となります。またパッキンから雑菌が繁殖する恐れもあるため、 キレイに保つことが大切です。
取っ手部分と同様、パッキンも食材に触れる可能性があるので、こまめに除菌をして清潔な状態を保つことを心がけましょう。
フライヤーの清掃方法
フライヤーは揚げ物を料理する器具のため、どうしても強力な油がついてしまいす。清掃するにも手間がかかるため、放置しがちなお店も多いでしょう。しかし、油汚れは放置すればするだけ「頑固で落ちづらくなる」という特徴があります。また、油汚れが広範囲に広がることで、ちょっとした火種から火事につながってしまいます。
フライヤーの清掃では、まずフライヤーに入っている古い油を処分します。フライヤーの電源を切って、油の温度を下げてから行うのを忘れないようにしましょう。古い油を処分した後は、油槽内に残ったカスを除去します。ただし、廃油は「産業廃棄物」となりますので、排水に流さず別容器に保管しておきます。
また、フライヤー周辺やフライヤー本体も油汚れが付着していますので、油汚れ用の洗剤などを使って拭き取りましょう。
厨房フード(換気扇)の清掃方法
厨房の換気扇フードは、洗剤を使用して油汚れを落とすことがポイントです。調理をして発生した油が気化して換気扇フードにこびりついていくので、蓄積しすぎると調理中に油が落ちてくることもあります。油にはホコリも混じっているので料理に混入したら、健康を害することになり運営に悪影響です。
ホコリを含む換気扇フードの油汚れには、洗剤を使用することです。水拭きでは、油が弾いてしまったり、余計に固まってしまったりします。油汚れの油は「融解」させることが一番大切です。
そのために、界面活性剤が入った洗剤や重曹を活用します。ただ普通に洗剤を使用すると、どうしても垂れてしまい思い通りにできないこともあるでしょう。そのときは、キッチンペーパーに洗剤を染み込ませて付着させるとキレイに落とせます。
厨房の床を清掃するポイント
厨房の床を清掃するポイントは、順番を守って作業することです。まず初めに「床に落ちているゴミ」を除去しましょう。ゴミが残っている状態だとブラシでこすったり、水を流したりする際に邪魔になります。
床に落ちているゴミを除去したら、 デッキブラシでこすりましょう。油汚れがひどかったり、床がベタベタしていたりするときは洗剤を使用して水を流します。 ある程度汚れを落とせたら、洗剤が残らないように水を流しましょう。
さらにキレイにするためには、薄めた塩素系漂白剤を床にまくことも効果的です。デッキブラシで床に広げた後は、約10分間放置します。その後、漂白剤が残らないように水を流していきましょう。
最後はスクイジーで水気を切って、乾燥させていきます。水気が残っていると臭いや水垢が発生するため、しっかりと水気を切りましょう。
厨房を清潔な状態に保つためのポイント
厨房を清潔に保つためには「ゴミをこまめに捨てる」「湿気を残さない」「定期的に清掃する」といった3つのポイントを意識することが大切です。
ゴミはこまめに捨てないとどんどん溜まっていきます。ゴミが溜まっている状態で放置しておくと、害虫が発生したりネズミがでてきたりといった衛生問題が生じます。菌が繁殖して、食中毒にも発展してしまう可能性があります。そのような自体を防ぐには、まずゴミを溜め込まないことがポイントです。
水回りには湿気が残らないようにしましょう。水垢やカビの原因になるため、湿気をしっかりと切って清潔な厨房を保つ意識を持つことが大切です。
厨房は、衛生環境に一番気を配る必要がある場所です。そのため清掃を定期的に行い、日課にすることが重要です。定期的に行わないと、ゴミの蓄積分だけ手間が増えます。小さな積み重ねは、清掃の手間を軽減し快適な空間を維持してくれます。
スタッフが気を付けなければならない衛生管理
清潔な店舗運営のためには、店舗管理を行うスタッフが衛生管理を徹底する必要があります。スタッフの衛生管理に関する意識が低いと、食中毒が発生するリスクが高まります。そこで厨房でスタッフが注意しておくべきポイントは、徹底した「体調管理」「作業前の手洗い」「帽子の着用」「服装」の4点です。
体調管理や作業前の手洗いは、すべてのスタッフに共通するポイントですが、ウイルスの持ち込みで拡散させないことがポイントです。作業前の手洗いも、ウイルスや雑菌を食品につけないために必要です。
また厨房に入る方は、髪の毛や外から持ち込んだホコリやゴミが食品に入らないよう注意しましょう。帽子を着用したり、コックスーツに着替えたりすることで異物混入を防ぐことができます。
これらの管理を行わないと、食品衛生の悪化にもつながります。食中毒などの健康トラブルを回避するためにも、徹底した衛生管理を行いましょう。
まとめ
厨房をキレイに保つためには、汚れが溜まりやすいポイントを把握して定期的に清掃することが大切です。しかし、厨房の清掃のなかでも「グリストラップ」は徹底的にキレイに保つのが大変な部分です。清掃時の身体的な負担が大きく、ゴミ処理にも責任が重く手間もかかります。
徹底してキレイに保つためには、プロにグリストラップの清掃を定期的に依頼することも必要です。プロに依頼することで素人では落としきれない汚れも除去でき、グリストラップ自体も長く状態よく維持できます。