もう悩まない!おすすめのグリストラップ匂い対策とは?

飲食店を経営する際、残飯や油を含んだ排水をそのまま下水に流さないように設置を義務付けられているのが「グリストラップ」です。グリストラップで生ごみや油分を取り除くことで、きれいな排水を下水に流せます。しかし、グリストラップの匂いが気になって、飲食店の経営に支障をきたさないか不安な方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、おすすめのグリストラップの匂い対策をご紹介します。対策を実行に移せば、悪臭のない清潔な飲食店経営が可能です。ぜひチェックしてみましょう。

グリストラップの匂い!悪臭の原因とは?

飲食店の排水をきれいにするグリストラップですが、悪臭が発生するケースもあります。主な原因は、排水に含まれる「食べカスなどの生ごみ」「酸化した油脂分」の2つです。悪臭が発生する原因をしっかりと把握することで、匂い対策へとつなげられます。では、悪臭の原因について詳しく見ていきましょう。

食べカスなどの生ごみ

悪臭の原因のひとつとして「食べカスなどの生ごみ」が挙げられます。グリストラップは排水内に含まれる残飯や油脂を取り除く装置です。いくつもの槽に分かれており、排水を段階的に浄化します。

まずは排水に含まれる食べカスのような生ごみを「バスケット」と呼ばれる網目の付いたかごでキャッチします。その生ごみが悪臭を発生させる原因となります。

排水は浄化されてきれいな状態で下水へと流れますが、グリストラップ自体に浄化機能はありません。バスケット内に残った生ごみをそのままにしておくと、悪臭はさらにひどくなります。そのため、溜まった生ごみはこまめに捨てる必要があります。

酸化した油脂分

排水に含まれる油脂分が酸化すると、不快な悪臭が発生します。グリストラップは3槽構造になっていますが、油脂分は2槽目と3槽目で分離させます。分離した油脂分がそのまま残っていると酸化して、悪臭の原因となります。グリストラップ自体に浄化機能は備わっていないため、分離させた油脂分を取り除かない限りは悪臭が発生し続けます。

特に、油を大量に使うラーメン屋や中華料理店は気をつけましょう。排水と一緒にたくさんの油脂分が流れているので、定期的に除去しないと強烈な悪臭につながります。内部構造を正しく把握し、匂い対策をしっかりと行うことが重要です。

グリストラップの内部構造

生ごみや酸化した油脂分が悪臭の原因になると解説しましたが、一体なぜそれらが原因となって悪臭を発生させるのでしょうか。その疑問はグリストラップの内部構造を把握すれば解明できます。

グリストラップは全部で3槽に分かれており、それぞれの槽で排水内の不純物を分離させています。ここでは、その内部構造について詳しく見ていきましょう。

第1槽

第1槽は飲食店の厨房の排水が最初に流れてくる槽です。「バスケット」と呼ばれる網目状のかごが設置されており、排水に含まれた食べカスや生ごみをキャッチします。バスケットには比較的大きめのごみが集まり、細かいごみは網目をすり抜けてそのまま排水と一緒に流れていきます。

第1槽と第2槽の間には底部が開けた仕切りが設置されていて、排水が仕切りの底部から上に向かって流れるような構造となっています。その結果、バスケットでキャッチできなかった細かい生ごみは第1槽の底部に沈殿します。

第1槽に設置されたバスケット内には日々ごみが溜まります。また、バスケットをすり抜けた生ごみも底に沈殿しています。この蓄積した生ごみをそのまま放置すると、匂いが発生する原因となります。

第2槽

第2槽は水分と油脂分を分離させる槽です。生ごみは第1槽で取り除かれているので、第2槽に流れてくる排水にはほとんど含まれていません。そのため、第2槽に流れてくる排水に混じっている不純物は主に油脂分となります。

油脂分は沈殿せずに水面に浮く性質をもっています。その性質を利用し、第2槽では水面に油脂分を浮かせて水と分離させます。水面に浮いた油脂分が拡散しないように、第2槽と第3槽の間には底部のみが開いた仕切りが設置されています。油脂分が取り除かれた排水は仕切りの底部を通って第3槽へと流れていきます。

生ごみ同様、油脂分も毎日溜まります。放置することで酸化し、悪臭の原因となるので注意しましょう。

第3槽

第2槽でほとんどの油脂分は取り除かれていますが、第3槽でもう一度分離させます。第2槽と同じように油脂分が水面に浮かぶ性質を利用して分離する仕組みです。第3槽を最後に排水は下水へと流れるため、きれいな状態になっていなければなりません。

最終的に第3槽で浄化した排水は「トラップ管」と呼ばれる特殊な形状をした管を通って下水へと流れます。トラップ管は排水の入り口が下部に下向きで付いているのが特徴で、水面に浮いた油脂分が流れるのを防ぐ役割を果たします。第1槽から第3槽までの間で段階的に浄化した排水を下水に流す役目も担っています。

グリストラップの匂い対策

次は、悪臭の発生を防ぐ匂い対策について見ていきましょう。飲食店の経営において、匂いは重要な要素です。悪臭が発生すると、お客様が気分を害して来客が減少する恐れがあります。匂いが原因で経営が傾かないように、しっかりと匂い対策をしましょう。ここでは、具体的な対策方法をご紹介します。

毎日のお手入れ

毎日欠かさずお手入れすれば、悪臭の原因を取り除けます。グリストラップは店がオープンしている間は常に稼働しています。つまり、排水に含まれた生ごみや食べ残しはバスケット内にどんどん溜まっていきます。

バスケット内に生ごみが溜まったまま放置すると、腐敗が進み悪臭の原因になります。悪臭を発生させないためにも、毎日バスケットの清掃をしましょう。

グリストラップを開けると、第1槽に設置されたバスケットが目に入ります。バスケットを取り外して中に溜まったごみを広げた新聞紙に捨て、新聞紙を丸めてそのままごみ袋に入れる方法がおすすめです。また、バスケットの網目にごみが付着したままだと、排水が流れなくなる恐れがあります。網目の掃除も定期的に行いましょう。

定期的な掃除

毎日第1槽の生ごみを取り除く以外にも、週に1回程度、主に第2槽の水面に浮かぶ油脂分を除去する必要があります。

具体的には、油脂分を網ですくい上げる方法で行います。料理で使用する「あく取り」のような網目のあるおたまを使うのがおすすめです。おたまの柄が短いと屈みながらの作業になるため体に大きな負担がかかります。なるべく柄が長いものや専用の道具を使用して効率よく清掃しましょう。

水面に浮かぶ油脂分が大量にある場合、油脂分を吸着する専用シートを使用するのもよいでしょう。シートを水面に浮かべるだけで油脂分を吸着してくれるので、手間なく簡単に清掃できます。

清掃業者への依頼

グリストラップを自分たちで日常的にメンテナンスするのも大事ですが、それだけではきれいな状態を保つのは難しいといえるでしょう。一般的な飲食店は3か月に1回程度、油を多く使う店では月に1回程度は清掃業者に清掃をしてもらう必要があります。

バスケットの清掃や水面に浮いた油脂分のすくい上げは自分たちでもできますが、グリストラップ底部に沈殿した汚泥の清掃は困難です。放置をすれば悪臭の原因となるので、専門の清掃業者に任せたほうがよいでしょう。

プロのノウハウや道具を使った掃除と比較すると、素人による清掃はどうしても質が落ちます。完全にきれいにすることは難しく、蓄積した汚れは排水管の詰まりといったトラブルにつながるかもしれません。衛生的で健全な経営のためにも、定期的に清掃業者に依頼しましょう。

グリストラップの清掃業者の選び方

清掃業者に定期的に依頼する必要があるとなると、どのような業者を選べばよいか分からないと悩む方も多いのではないでしょうか。清掃業者を選ぶ際に重要なポイントは「実績を見る」「産業廃棄物管理票を発行してくれるか」「清掃のノウハウがあるか」の3つです。それでは、3つのポイントの内容について詳しく見ていきましょう。

実績を見る

清掃業者を選ぶ際、まずは実績を確認しましょう。同じ清掃業者であっても、清掃の質は異なります。ただ安さだけで選んでしまうと、しっかりとした清掃がされずに、結果的に損をする恐れもあるので注意しましょう。

信頼できる実績のひとつとして挙げられるのが、大手飲食チェーン店を担当しているかどうかです。大手飲食チェーン店は全国各地に店舗を構えており、店内が不衛生であるという噂や食中毒といったトラブルが発生した場合、多くのメディアに取り上げられて瞬く間に信用を落としてしまいます。

そのため、大手飲食チェーン店は衛生管理を厳しく設定しています。衛生管理が厳しい店舗の清掃を任されているということは、信頼に値するといえるでしょう。また、実際に清掃を依頼した飲食店の口コミを聞いて判断するのもおすすめです。

産業廃棄物管理票を発行してくれるか

グリストラップの清掃を完了した際、「産業廃棄物管理票」を発行してくれる清掃業者を選びましょう。

産業廃棄物管理票とは、グリストラップの清掃によって発生した廃棄物を適正に処理したことを証明する書類です。グリストラップから発生した廃棄物は「産業廃棄物」として処理しなくてはなりません。産業廃棄物の場合、処理責任は事業者にあるため、責任をもって処理する必要があります。

清掃業者の中には、処理責任が市町村である「一般廃棄物」として処理する業者も存在します。定められた処理方法を行わないと「不法投棄」と見なされ、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金となります。定められた処理方法を遵守するためにも、産業廃棄物管理票を発行してくれる清掃業者を選ぶことが重要です。

清掃のノウハウがあるか

グリストラップの清掃業者を選ぶ上で最も重要といえるのが、清掃のノウハウがあるかどうかです。グリストラップは清掃が行き届いていない不衛生な状態だと、今後の経営にも悪影響を及ぼします。最悪の場合、営業停止となる恐れもあるため、ノウハウを蓄積した清掃業者に依頼する必要があります。

特に注目すべきなのは、グリストラップを清掃する専用の洗剤や機械を備えているかです。バキュームカーがあると、グリストラップ内の汚泥や油脂分を強力に吸引できます。すべての汚れを除去できるので、最もよい衛生状態を保てるといえるでしょう。

清掃業者のサイトを確認して、信頼のおける清掃のノウハウを有しているかチェックしてみましょう。

まとめ

ここまで、グリストラップの匂い対策や清掃業者の選び方を解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

グリストラップは3槽構造になっており、厨房からの流れる排水に含まれる生ごみや油脂分を分離させ、きれいな水を下水へ流す役割を果たしています。取り除いた生ごみや油脂分はグリストラップ内に溜まっていくため、日常的なメンテナンスとノウハウを有している専門業者への清掃の依頼が必要です。

アイエスジー株式会社では、グリストラップの構造をしっかりと理解しノウハウを有したプロが、バキュームカーといった専用の清掃用具を用いて最高の衛生状態を実現します。清掃後には産業廃棄物管理票を発行するので、安心して任せられるのも魅力です。グリストラップの清掃は、ぜひアイエスジー株式会社にお任せください。