グリストラップ清掃Q&A

Q:都内で飲食店を新規(居酒屋・30席)に出店しようと考えています。グリストラップを設置しないと営業許可が出ませんか?

A:新規に出店する場合は、汚泥や廃油の処理としてグリストラップを設置する必要があります。

都内で新規に出店する場合は、条例によりグリストラップを設置する義務があります。
※条例は各地方自治体によって異なります。
グリストラップの設置がないと、営業許可が下りない可能性があります。

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Q:グリストラップの清掃頻度を教えて下さい。

A:施設の種類、営業状況などで汚泥・廃油の質と量はだいぶ変わるので、一般的な施設のグリストラップ清掃頻度をご紹介します。

飲食店(居酒屋)
年に12回。揚げ物・串モノ・刺し身などを提供する一般的な居酒屋はやはり、汚泥・廃油の量も多いので、このくらいの回数が必要になります。
居酒屋の清掃事例はこちら

飲食店(ファミリーレストラン)
年に6回。ロードサイドや郊外にある一般的なファミリーレストランを想定しました。ラーメン店やステーキハウスのような業態だともう少し多いほうが良いでしょう。
ラーメン屋さんの清掃事例はこちら

一般的な食品スーパー
年に4回。惣菜などの調理や肉や魚の処理などで、飲食店並に汚泥・廃油がでます。
スーパーの事例はこちら

コンビニ
年に3回。最近は店内で揚げ物やおでんなどの調理食品を提供しているコンビニが多いので、グリストラップ清掃をするコンビニが増えてきてます。

老人ホーム
年に6回。
調理設備がある施設は、衛生面や臭気の問題もあるのでクリストラップ清掃が必要となります。
老人ホームの清掃事例はこちら

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Q:新規に飲食店を開業しますが、グリストラップの清掃費用はどのくらい見積もっておけばよいですか?

A:グリストラップの容量、作業環境、回数により価格は変動しますが、1回きりのスポット作業の場合、250リットル以下で35,000円程度費用が掛かります。
年間の作業回数が多いと、1回あたりの清掃費用がお安くなりますので、是非定期清掃をご検討ください。

グリストラップの清掃費用について

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Q:グリストラップの清掃で出た汚泥をゴミとして廃棄すると違法になりますか?

A:グリストラップの汚泥と廃油は、産業廃棄物になりますので、一般ごみとして処理すると違法になります。

汚泥の許可を持った産業廃棄物処理業者に依頼して処理する必要があります。

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Q:グリストラップ内に取り付ける、ばっき装置や、オゾン発生器とはなんですか?

A:油が分解され、グリストラップ内がきれいになったように見えます。

しかし、社団法人空気調和・衛生工学会では、油脂分を分解する菌又はオゾンなどを利用するばっ気装置の追加設備の使用を禁止しています。

グリストラップは、本来油を溜めておく装置ですが、ばっ気装置は、攪拌した油を下水に流してしてしまい、本下水管を詰まらせてしまうことがあるからです。

オゾンや菌に、油を分解する能力が完全にない、というわけではありません。油を分解するには、大量の菌と、多くの時間が必要になりますが、常に水を使用するような場所では、分解が間に合わないのです。

その為、東京都では、立入検査の際、ばっ気装置等を営業中に運転している施設には、グリストラップの機能が阻害されるため運転しないよう指導しているそうです。
参考:東京都健康安全研究センター

グリストラップの清掃には、現在、いろいろな方法があります。 弊社でも、お客様に正しい清掃方法をご提案すべく、日々研究に励んでおります。
ご質問・ご相談等ございましたら、お問合せフォームよりご連絡くださいませ。

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Q:グリストラップの清掃費用は、どのように算出しているの?

A:グリストラップの清掃費用は、下記項目を基準に算出しています。

1)グリストラップ内の汚泥量(産業廃棄物処分量)
グリストラップ内の汚泥量が多いほど、費用がかかります。
縦×横×水深を測ることで、何リットルあるかが算出ができます。

250リットルの処分量の場合、35,000円程度費用が掛かります。

2)グリストラップの設置位置
グリストラップは店内か屋外か、建物の何階に設置してあるかがとても重要になります。
①バキューム車両で伺う際に、車両からホースを伸ばして作業ができる場合
②高層階にあり、ポータブルバキュームが必要になる場合や、車両が近くに止められない場合
上記の場合、②の方が時間や人件費がかかるので、①よりも多少費用がかかります。

3)グリストラップの清掃頻度
弊社は、年間の作業回数が多いと、1回あたりの清掃費用がお安くなります。
半年に1度の作業や、2週間に1度の作業など、お店の業態によってさまざまです。
通常は、見積を出す前に、弊社スタッフが現場調査に伺うので、その際に適切な清掃頻度を相談してください。

業者によって、作業費用の基準は違いますが、上記のような項目を基準に算出している場合が多いです。

同じ清掃でも、業者によって費用は大きく異なります。

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Q:どうして、グリストラップの清掃をしてもらうだけなのに、契約書の締結が必要なの?

A:グリストラップ内の汚泥は産業廃棄物にあたります。

排出事業者*は、産業廃棄物を自らの責任において適正に処理しなればなりません。
しかし、自社で産業廃棄物として処分ができる事業者は、ほぼありませんよね。
そのため、専門の業者に処理を委託するのが一般的です。委託する場合には、契約書の締結が必要になります。
*排出事業者とは産業廃棄物を排出する事業者のことです。
契約書を締結しないでグリストラップ汚泥を収集運搬することは違法になります。
そのような業者は、不法投棄をする可能性があり、またコンプライアンスを重視しておりません。
排出事業者は業者を選ぶ際は、清掃作業前に契約書を締結する業者を選びましょう。

必要な契約書は、下記の2つです。

1.産業廃棄物収集運搬委託契約書
グリストラップ内の汚泥を引き抜き、処分場に運ぶことを委託する契約書です。


2.産業廃棄物処理委託契約書
汚泥の処分を、処分場に委託するための契約書です。
処分場では、脱水等を行い、最終的に埋め立てたり、野菜の肥料にリサイクルしたりします。


★契約する際に注意するポイントです。

①書面での契約
法律により産業廃棄物の委託契約は、書面で交わすことが定められています。また、容量や作業内容で法定記載事項に変更があった際にも、変更の記載をした覚書等を交わします。

②三者間契約の禁止
作業を依頼する際に、収集運搬の許可を持った業者と処分業者が異なる場合があります。その場合、排出事業者は処分業者と直接契約を交わさなければなりません。
清掃業者や管理会社が間に入る三者間契約は、認められていません。適正な処理を行う上で、金銭の流れの透明性を高めるためです。
ただし、処分場を持っている業者が、収集運搬も行う場合は、一つの契約書の締結で問題ありません。


③必要な項目を盛り込む
必要な項目は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の「施行令」と「施行規則」で定められていますので契約書内に記載する必要があります。
インターネット等で調べるとひな形が出てきますので、活用してください。
通常は、作業を依頼した業者が代わりに作成することが多いです。内容を確認してから締結しましょう。

④許可証の写しを添付する
許可証とは、契約する地域の許可を持った業者であることを証明するためのものです。この許可を持っていない業者に、収集運搬や処分の依頼をしてはいけません。
環境省のホームページより業者名を入力すると、許可を持った業者か検索をすることが可能です。
契約を締結する人は、事業者の代表者ですが、工場長や施設長が契約締結の権限を委託されている場合には、その方が契約者となっても問題ありません。

契約を締結したら終わりではありません。
マニフェストが発行されるので、契約書に記載されている業者がきちんと処理をしているか、すべての契約書が返却されたかなどの確認が必要です。
さらに、マニフェストは、5年間保管しなければなりません。
マニフェストに関してはこちら

正しい業者に委託しないと排出事業者責任を問われてしまいますので、ご注意ください。

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Q:グリストラップの清掃費用の出し方の中で、「容量」の違いが挙げられていましたが、それは、どのように算出しているのですか?

A:グリストラップの容量によって作業費は違います。

グリストラップが厨房内に設置してある場合は、500リットルを超えるものは少なく、都内のビルに入っているような店舗であれば、250リットル以下であることが多いです。逆に、駐車場に設置している場合は、1トンを超えるものもあります。

弊社では、御見積の依頼を頂いた場合は、必ず現場調査に伺いグリストラップの設置位置・容量・車両の停車位置等の確認をして御見積をお出し致します。

今回は、お店の屋外に設置してあるグリストラップの現場調査に伺ったので、その様子をまとめました。

まずは、長い棒と、軍手(ゴム手袋)、メジャーを準備します。


縦の長さを測ります。 60センチでした。


続いて、横の長さです。 110センチでした。


最後に長い棒をさして、深さを測ります。 深さ30センチでした。


ここでは、測量棒を使用していますが、店内設置の浅いタイプの場合は、串や割り箸を刺して測ることもあります。
最後に、縦横深さ全てをかけて容量を算出します。このグリストラップは、約200リットルでした。

※計算の仕方は、縦×横×水深で行います。今回のケースですと、縦60センチ×横110センチ×深さ30センチ=198,000
198,000÷1,000=198リットル

容量は、約200リットルでしたが、清掃の際には水を使用するため、少し処分量が増えます。 そのため、最後に清掃の際に出る水の分をプラスして御見積をお出ししています。

こちらであれば、毎月作業の場合、19,000円/回で清掃が可能です。
作業の頻度や作業条件などによって金額が変わってきますが、お問合せの際に、容量をお伝えいただけるとおおよその作業費をお伝えすることが出来ます。

正確な御見積が必要であれば、現場調査に伺います。
現場調査も、もちろん無料ですので、ぜひお気軽にお問合せください。

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Q:グリストラップの汚泥は、どこへ運ばれて、最終的にどこへいくのですか?

A:グリストラップの汚泥は、産業廃棄物にあたります。

産業廃棄物収集運搬業の許可を持っている車両で処分場まで運ばれ、その後、中間処理施設へ運ばれます。
汚泥は、水分を多く含んでいるので、水分を抜いて乾燥させたり、燃やして燃えかすにしたり、砕いたりして減量します。
その後、最終処分場へ運ばれます。

最終処分場へ運ばれ埋め立てられたり、リサイクルしたりします。
リサイクルの例として、ある処分場では肥料を作っています。
ちなみに、汚泥は食品等の製造工程から生じる、野菜かす、醸造かす、発酵かす、魚や肉類等の不要物で有機性廃棄物と呼ばれます。

有機性廃棄物とは、動植物由来のものです。
動植物由来なので、養分やエネルギーが大変多く含まれていて、その力を活用した肥料へのリサイクル方法です。
有機性廃棄物の中に米ぬかや、木くずを混ぜることで、微生物が有機性廃棄物を発酵させます。


その肥料は、実際に地域の農家で使われていて、野菜が作られています。
グリストラップの汚泥が、最終的に野菜になってお店に戻ってくるというリサイクルの流れが出来上がっているのです。
ただ焼却されるだけだと思っている方が多くいらっしゃると思いますが、また野菜となって戻ってきていたのですね。

まだまだリサイクルの割合は少ないですが、少しずつ増えていくことを願っています。

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Q:どうして同じ形態のお店でも、清掃頻度が違うのですか?

A:同じラーメン屋さんでも、実際には1か月に2回清掃に入るところもあれば、1年に2回のところもあります。

御見積書をお出しする前に、実際に現場に伺い、グリストラップの状況を確認します。
その状況によって適切な作業回数をご提案させて頂いております。

では、どういった点に注目して清掃頻度を決めているでしょうか。

①提供している料理の種類
例えば、油が多い豚骨系のラーメン屋さんと、醤油ベースの油が少ないラーメン屋さんでは必要な清掃頻度は変わります。
特に油物の提供が多い場合と、そうでない場合で大きく異なります。

②料理の提供数
特に介護施設や病院等では、料理の提供数によっても清掃頻度は変わってきます。

③営業時間
昼間の営業のみ、夜の営業のみ、24時間営業など、お店によってバラバラだと思います。
この違いが、先ほどお伝えした料理の提供数に影響します。

④グリストラップのサイズ
グリストラップは、開業するときにその厨房に合ったサイズのものを設置します。
グリストラップが小さいと、清掃頻度は少なくて良いと思われがちです。
しかし、グリストラップが小さいとその分処理能力は低くなります。
機能が低下すると、油分と水を分離させる機能がうまく働かなくなってしまいます。
その為、サイズが小さくても定期的な清掃が必要になります。

⑤グリストラップの設置場所
グリストラップは、厨房内や屋外等に設置されております。
厨房内にある場合、臭いや害虫の発生が気になってしまうので、清掃頻度を増やす必要があります。

⑥従業員の日々の清掃状況
従業員の方が、毎日カゴの中身を処分したり、汚泥をすくったりしている場合は、比較的きれいな状態が保てます。
その為、清掃頻度が少なくてもグリストラップが機能することがあります。
ただし、すくった汚泥は産業廃棄物として適正に処理をする必要があります。

⑦地域の特性
地域によっては、保健所の方が定期的に清掃をするように厳しく指導されている場合もあります。
また、行政の管理する排水管を詰まらせてしまったり、周りの住民からクレームが入ってしまうこともあります。
このような場合は、頻繁に清掃が必要になります。

⑧排水管が詰まりやすい
排水管の勾配の問題や、長年の油汚れの影響で、排水管が詰まりやすい状態になっている場合があります。
その場合は、グリストラップの先の排水管にできるだけ油分を流さないようにするために、頻繁に清掃が必要になります。

⑨責任者の方の意識の違い
これが一番大きな清掃頻度の違いだと思います。
店舗の責任者の方が、グリストラップの清掃を重要視している場合と、そうでない場合があります。
どれだけ費用をかけられるか、お店によって異なるので、その違いが一番大きいです。

御見積をお出しする際には、適正な清掃頻度を提案させて頂きますが、実際に清掃してみると、もう少し増やした方が良かったり、逆に頻度を減らしても大丈夫な場合があります。

実際に清掃をして様子を見ながら、作業頻度を変更するというのも一つの方法です。

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Q:従業員がグリストラップ清掃をする際に、時間がかかって大変です。浮上油を回収するために、何か良い道具はありませんか?

A:定期的にバキュームでの引き抜きをしているけれど、浮上油が気になるという方もいらっしゃいます。そこで、従業員の方が浮上油の回収をする場合、役に立つ道具をいくつかご紹介します。

1.すくいん棒 (旭化成ホームプロダクツ)
その名の通り、グリストラップの汚泥をすくうもので、カゴのようなものがついています。
上に浮いている油や沈殿汚泥をすくいます。
サイズは2種類あるので、グリストラップのサイズによって使い分けることをお勧めします。
柄が長く、深いグリストラップでも楽に作業が出来るのが特徴です。
ステンレス製なので、軽く作業がしやすいです。


参照:旭化成ホームプロダクツ株式会社HP

2.すくってポイ (松岡紙業株式会社)
上記のすくいん棒と同じように浮上油をすくう道具です。
すくう部分のネットは市販の水切りネット等を使用することができ、使い捨てなのでとても衛生的です。
さらに、ロックを外すだけで、簡単にネットが外れるので手も汚れません。


参照:松岡紙業株式会社

3.油吸着材:ECO2 (松岡紙業株式会社)
グリストラップの上に浮かべると、油だけ吸着するというものです。水は吸収しないので、重くなりません。汚泥をすくおうとすると、水を一緒にすくってしまい重くなり、掃除に時間がかかってしまいます。
以前、展覧会で実際に水槽に油を浮かべて使用するデモを拝見しましたが、水は吸着していませんでした。


参照:松岡紙業株式会社

4.油吸着シート:グリースクリーン(旭化成ホームプロダクツ)
こちらもグリストラップ内の油を吸着するもので、シートタイプです。
上記の油吸着材に似ていますが、こちらは、毎回清掃後にグリストラップに浮かべておくだけのものです。
流れてきた油を少しずつ吸収し、清掃の際に交換します。
弊社のお客様でもご利用されているのを見ます。


参照:旭化成ホームプロダクツ株式会社

このように清掃をお助けするアイテムがあります。
ぜひご活用ください。
グリストラップの清掃方法に関しては、こちらをご覧ください。
グリストラップの清掃方法

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Q:グリストラップ清掃後、マニフェストをもらいましたが、どうしたら良いでしょうか?

A:グリストラップの清掃を依頼すると、マニフェストが交付されます。 初めて清掃を依頼されたお客さまは、この紙をどうしたら良いかわからないと思いますので、ご説明させて頂きます。

マニフェストは、5年間の保管義務がありますので、大切に保管してください。
作業後すぐに1枚が手元に届き、数か月以内に4枚が手元に戻ってきます。

また、前年度の交付分を毎年6月末までに、都道府県知事または政令市長あてに『マニフェスト交付等状況報告』を提出する必要があります。

参考HP

マニフェストはA票・B1票・B2票・C1票・C2票・D票・E票の7枚綴りです。
7枚のうち、各工程を経て、4枚がお客様のもとに戻ってきます。
戻ってくるタイミングは下記の通りです。
A票:作業完了後、排出事業者サイン欄にサインをして頂き、すぐに発行されます。
B2票:収集運搬が終了し、処理業者まで汚泥が運ばれたあと(返却期限90日以内)
D票:処分業者による処分が終了したあと(返却期限90日以内)
E票:処分業者が、最終処分まで終了したあと(返却期限180日以内)
この4枚がもどってきたら、廃棄物の処分が適正に完了した証明になります。

さらに詳しい内容はこちらをご覧ください

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